腸内環境とコンディショニングに関する文献を読みました。
身体的・精神的ストレスが腸に及ぼす影響についての内容でした。
腸と脳は密接なつながりをもち、「脳-腸相関」や「腸-脳相関」と呼ばれています。
腸内環境の変化は肥満や糖尿病、心疾患をはじめとする様々な生活習慣病、またパーキンソン病やアルツハイマー、うつ病などの精神・神経系の疾患との関連が報告され、予防医学的な観点からの処方や治療が可能になりつつあるようです。
腸内環境とは500~1000種類ヒトに存在する腸内細菌のバランスのことをさします。
腸内環境は食生活や運動習慣などの環境的要因の影響により変化し、肥満者(BMI25以上)やマラソンランナーではエネルギー吸収に関与する腸内細菌(ファーミキューテス)が多く、たんぱく質や糖質の代謝に関与する腸内細菌(バクテロイデス)が少ない傾向があります。
これは肥満者とマラソンランナーではエネルギーを蓄積できるという腸内環境の共通点といえます。
また、低炭水化物・高タンパク質の食事が多いトレーニーは有害な菌の増殖の抑制や臓器や筋のエネルギー源となる短鎖脂肪酸を生産する腸内細菌数の減少が指摘されていました。
高タンパク質によりアミノ酸発酵が引き起こされ炎症反応を増加させることが原因と考えられます。
腸活という言葉を耳にすることが最近は増えてきました。
微生物を摂取することができるプロバイオティクス、そしてそれらを活性化させるプレバイオティクス、二つが合わさったシンバイオティクスなどサプリメントについても注目が集まっています。
人それぞれ腸内環境に違いがあるため誰しもに必ず効果がある、そして効果があったとしてもすぐに実感ができるものではありません。
腸内環境を改善することは一朝一夕ではなく長期的な戦いとなります。
ですが改善を目指して食事や運動習慣に取り組むことは生活習慣病の予防やメンタルヘルスにつながり多大なメリットを私たちにもたらしてくれます。
腸内環境の改善のために発酵食品や食物繊維の摂取、そして座位を避け活動量を増やす生活習慣を心がけてみてはいかがでしょうか。
私はたんぱく質を多く含む食事を摂ることが多いため、腸内細菌の餌となる水溶性の食物繊維を意識して増やしていこうと思います。