[金山で腰痛と向き合う]腰痛症の種類別にみるエクササイズの注意点
腰痛の原因は一つではありません。診断名に合わせた安全で効果的なアプローチで、負担の軽減を目指します。
1. ただたんパーソナルジム金山が考える腰痛との向き合い方
|腰痛症とは?(専門的なアプローチの必要性)
腰痛症は、単一の疾患ではなく、椎間板機能障害、筋挫傷、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、脊椎すべり症など、複数の診断結果を含む総称です。これらの診断結果はそれぞれ、異なる症状、異なる治療法が必要です。
しかし、腰痛の大半は原因が特定されない「非特異的腰痛」と言われています。
当ジムで提案するトレーニングは、治療段階を終えた後の「ポストリハビリテーション」、または、「機能改善のための再教育」の段階に位置付けられます。
お客様の診断結果、症状に基づき、パーソナルなトレーニングプログラムを作成します。
腰痛に対するエクササイズ戦略
どのタイプの腰痛に対しても、痛みを軽減する姿勢や動作を促進・強化し、悪化を招く動作を避けることが重要です。
具体的な戦略は以下の4点です。
1.柔軟性の改善
腰部の動きを制限している筋肉の柔軟性を改善し、腰に負担のかからない姿勢・動作を身につける土台を作ります。
2.姿勢の修正
一部の筋肉・骨などに過剰に負担をかけず、腰の安定性が高まる姿勢を身につけます。
3.脊柱安定化エクササイズ
呼吸の仕方を見直し、体幹周りの筋肉を使いこなすことで、腰椎への負担を減らすための体幹の安定性を高め、身につけた姿勢を定着させます。
4.身体操作の習得
腰に負荷が集中しない体の動かし方を身につけます。
2. 【診断別】避けるべき動作と推奨エクササイズ
医療診断とトレーニングの開始について
【安全のために】
医師の診察をを受けていただくことを強く推奨します。
安全にトレーニングに取り組みましょう!
【診断がない方へ】
診断名がない腰痛の場合も、上記の4つのエクササイズ戦略に基づいたアプローチは腰への負担軽減に有効です。
痛みや違和感がない範囲で、筋力強化、機能改善に努めましょう。
①腰椎椎間板症(ヘルニア)
背骨の間で衝撃を吸収する椎間板が飛び出し、神経を圧迫しやすい状態です。特に前屈(背中を丸める)動作で症状が悪化しやすいため注意が必要です。
×動作
腰(背中)を丸める

腰をひねる

要注意エクササイズ(腰が丸まりやすい)
フォームエラーで腰が丸まりやすいエクササイズは、腰を安定させた状態で取り組むことが大切です。
スクワット

ローイング(背中を鍛えるエクササイズ)

デッドリフト

自転車(エアロバイク)

お尻・ももうらなど股関節周りのストレッチ

おすすめ
腰椎を自然な位置で保つための強化。
ヒップリフト
弱ったお尻を鍛え上げる!
お尻の筋肉(大臀筋)を鍛え、ヒップアップや腰痛予防に繋がる。寝たままできるので初心者にもおすすめです。
やり方とポイント
1.横向きで体は一直線。下側の腕で頭を支える。
2.息を吐きながら、上側の足を真上に持ち上げる。
3.息を吸いながら、元のポジションに戻す。
・上半身をひねらないように注意。
・足を体の前側に向かって上げない。
・片足10~30回2セット。
ドンキーキック
体幹・腕を鍛えながらお尻を鍛える!
お尻(大殿筋)の筋肉を鍛えつつ、体幹コントロールを身につけることが出来る効率的なトレーニング。
やり方とポイント
1.四つん這いで、手は肩の真下、膝は股関節の真下につく。背中はまっすぐ。
2.息を吐きながら、片方の足を、膝を90度に曲げたまま、足の裏を天井に向けて上げる。
3.息を吸いながら、元のポジションに戻し、同じ足で繰り返す。
・腰を反らないように注意。
・片足10~30回2セット。
②脊椎分離症・すべり症
腰を反る動きに注意して、エクササイズ戦略を考えます。
×動作
腰を反る
スクワット

ショルダープレス

おすすめ
腰を曲げる動きを促進・強化し、正しい運動パターンを再教育します。
プランク
体幹と全身の連動性を高める!
体幹全体を鍛え、姿勢改善や腰痛予防に効果的です。
やり方とポイント
1.うつ伏せになり、肩下に肘をつき、つま先で体を支える。頭からかかとまで一直線。
・腰が落ちないように注意。
・10~20秒2セット。
アブドミナルクランチ
腰への負担を抑えながら、お腹の前面を鍛えるベーシック種目
やり方とポイント
1.仰向けになり、股関節と膝を90度に曲げ、足を宙に浮かせる。
2.腕を天井(地面と垂直)に向かってまっすぐ伸ばす。
3.腕を地面と垂直に維持したまま顎を引いた状態をキープし、上体を起こす。
4.ゆっくりと元の位置に戻る。
ポイント
・足を動かさないように注意。
・腰と地面に隙間ができないように注意。
・反動を使わず、ゆっくりと腹筋の力で持ち上げる。
・10~30回2セット。
③筋挫傷
強い負荷や長時間使い過ぎなどで腰の筋肉が損傷した状態です。受傷した筋肉の治癒過程を終えた後のアプローチが重要です。
×動作
炎症期は安静。ストレッチも避ける。
おすすめ
治癒後、痛みが出ない範囲で不適切な動作パターンを見極め修正します。
腰のストレッチ

腰・背中のストレッチ
1.腕で脚を固定する。
2.腰・背中を丸めて、赤丸の部分の伸びを感じる。
3.30秒キープ
・2セット
・呼吸を止めずにリラックスした状態で行う。
デッドリフト
【体の使い方を根本から改善!全身を一度に鍛える最強の効率的トレーニング!】
目的と効果
背中、お尻、太ももの裏側といった体の裏側全体を効率的に鍛える、全身トレーニングの王道です。**日常で物を持ち上げる動作の基本**を習得し、**体の使い方を根本から改善**します。全身の筋肉を一度に鍛えることができるため、体力・筋力アップに非常に効果的です。特に、背中、腰、お尻、ももうらの筋肉を中心に鍛えるため、機能的な体づくりの土台となります。
正しいフォームのポイント
- バーを足の中央に置き、肩幅で握ります。
- 背中はまっすぐ伸ばしたまま、バーを床から引き上げます。
- バーは常に体に沿わせるように動かします。
注意点
- 腰が丸めると怪我の原因になります。背中をまっすぐ保ちましょう。
- 肩がすくまないように、常に肩を下げておきます。
④非特異的腰痛(診断名がつかない腰痛)
画像診断や神経所見では特定できない腰痛です。4つのエクササイズ戦略を使うことで、腰への負担を軽減させることができます。
×動作
痛みを増強させるすべての動作
おすすめ
痛みが出ない範囲で、次節で紹介する4つのエクササイズ戦略に則ったエクサイズを選別します。
!上記で示した腰痛の種類別注意点は、あくまで当ジムが提供するポストリハビリテーションのための一般的なガイドラインです。!
診断を目的としたものでも、治療をするためのものでもありません。医師の診断・判断を最優先とし、安全性を最大限に高めたうえでエクササイズに取り組みましょう。
3. 4つの戦略に応じたエクササイズ例
①柔軟性エクササイズ
ももうらのストレッチ

1.前後に足を開く。
2.骨盤を真っすぐ立てたまま(腰・背中を丸めず)股関節からお尻を後ろに突き出す。
3.30キープ。
・2セット
・呼吸を止めずにリラックスした状態で行う。
お尻のストレッチ

1.足首より拳一個分上の部分を、もう片方の膝の上(柔らかい部分)に充てる。
2.骨盤を真っすぐ立てたまま(腰・背中を丸めず)胸・お腹を突き出しながら立てた膝を胸に近づける。
4.30キープ。
・2セット
・呼吸を止めずにリラックスした状態で行う。
・お尻の筋肉を伸ばしている脚の膝を前方に突き出すと、ストレッチ感アップ!
②姿勢改善

壁に背を向けて、「かかと・ふくらはぎ・お尻・肩甲骨・頭」をつけるように立ちます。
正常な姿勢(左)
壁と腰の間に手のひら一枚分のスペース。横から見たときに、「耳・肩・骨盤・膝・くるぶしの後方」が一直線。 この状態を目指して、エクササイズを選択!
反り腰(中央)
壁と腰の間に、拳一個分のスペース。腰が過剰に反り、一見姿勢がよく見えますが、腰に負担がかかりやすい状態です。
猫背(右)
壁と腰の間に手が入らない、入りづらい。背中が丸まり、頭が肩より前に出ている傾向。手が入る場合でも、横から見て背中がCの字を描いている場合は猫背の可能性が高い。肩こりや首の痛み、呼吸の浅さに繋がります。
③脊柱安定化エクササイズ
生後3か月呼吸
体幹の基礎を整える呼吸法!
赤ちゃんのような姿勢で、体幹の深層部(インナーマッスル)を活性化。姿勢改善や腰痛予防に繋がります。
やり方とポイント
1.仰向けになり、腰と地面の隙間をなくす。
2.股関節、膝を90度曲げ、親指と人差し指を骨盤の出っ張りにひっかける。
3.指のあたりからお腹を膨らませる意識で、息を吸う。
4.お腹を膨らませたまま、力を抜かず、静かに呼吸を続ける。
・腰と地面に隙間ができないように。
・お腹の上下は2~3センチ程度に抑える。
・10~60秒2セット。
デッドバグ
寝ながら体幹を強化!
仰向けで行う体幹エクササイズで、腹筋の深層部を鍛え、日常やエクササイズでの腰への負担を減らすことができる。体幹の安定性や姿勢改善に効果的。
やり方とポイント
1.仰向けで、腕、太ももを地面と垂直に上げる。(腰と地面は密着させる)
2.息を吸いながら、腕と足を対角線に下す。(地面には着けない)
3.息を吐きながら、元のポジションに戻したら、反対。
・腰を地面に着けたまま。
・腰がきついときは無理をしない。
・10~30回2セット。
バード&ドッグ
体幹を安定させ、姿勢を整える!
体幹の安定性、バランス能力を高める基本のエクササイズ。腰痛予防や姿勢改善に効果的。
やり方とポイント
1.四つん這いで、手は肩の真下、膝は股関節の真下に着く。背中はまっすぐ固定。
2.息を吐きながら、腕と足を対角線に上げる。
3.息を吸いながら、元のポジションに戻し、反対側。
・腰を反って腕を持ち上げないように注意。
・10~30回2セット。
④身体操作
スタンディングアブダクション
体の軸「股関節」を安定させる!
お尻の横側(中臀筋)を鍛えることで、腰・膝・股関節への余計な負荷を減らし、痛みの予防が期待できます。
やり方とポイント
1.両ひざを伸ばして片足立ちになる。
2.浮足を真横に広げる。(45度程度開けばOK)
3.地面につけずに繰り返す。
・10~30回を目指しましょう
・バランスが取れないときは、壁や柱に手を添えてOK!
・軸側のお尻が外に飛び出ないように注意。
・両おしり横が熱く感じればいい感じです!
・10~30回2セット。
シングルレッグルーマニアンデッドリフト
お尻と裏ももを集中強化!
お尻と太ももの裏側を鍛え、同時に体幹のバランス能力も高める。ヒップアップや姿勢改善に繋がります。
やり方とポイント
1.椅子に足の甲を半分載せて、前後に足を開く。(椅子に座って地面に足を伸ばした程度)
2.背筋を伸ばし、息を吸いながら、上半身を倒し、お尻を引きながらしゃがむ。
3.息を吸いながらもとのポジションに戻る。
・かかとが浮かないように注意。
・お尻、もも裏が熱くなればばっちり。
・膝とつま先の向きを揃える。
・上半身が左右に傾かないように注意。
・片足10~30回2セット。
スクワット
全身運動の王様!
太もも、お尻、体幹を一度に鍛え、基礎代謝アップやヒップアップに効果的。日常生活での立ち座りも楽になります。
やり方とポイント
1.足を肩幅に開き、つま先を30度外側へ。背筋を伸ばし、胸を張る。
2.息を吸いながら、椅子に座るようにお尻を引きながらしゃがむ。膝よりも股関節が低い位置を目指す。
3.息を吐きながら、姿勢を保ったまま立ち上がる。
・膝とつま先の向きは常に揃える。
・腰が丸まらないように注意。
・股関節が詰まる感覚ある場合は、足幅や向きを広げて調整。
・椅子を置いて、しゃがむ感覚を練習。
・足裏全体で踏ん張る。
・10~30回3セット。
安心して運動と腰痛に向き合いましょう
ゴールは腰に過剰な負担がかからない体の使い方を身につけることです。
ただたんパーソナルジム金山では、診断と症状、そして動作の癖に合わせたプログラムで体づくりをサポートしています。