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運動で惹き起こされる喘息症状との付き合い方

運動は、体の見た目を変え、中身を変え人生の行く末を左右する強力な影響を私たちに与えます。
しかし、時に運動は過呼吸を促して気管支狭窄を誘引し、呼吸困難や喘鳴(呼吸時のヒューヒュー音)、咳、息切れ、胸のつかえや痛みなどの喘息症状を引き起こします。
これは喘息患者に限った話ではなく、喘息と診断を受けていない健常者でも発症する恐れがあります。
また、症状は運動中だけでなく運動後1~6時間経過してから気道が浮腫むことによって発症する場合があり、症状が落ち着いているからといって油断できません。

運動耐性の評価とエクササイズの注意点

気管支収縮は運動の継続を困難にし、パフォーマンスに大きな影響を与えます。
そのため喘息患者は運動耐性が低く、さらに気温や湿度に敏感です。
極端な環境での運動は気管支収縮のリスクや重症化が増加するため気温や湿度の管理が大切です。

運動による喘息症状のリスクと重症化を軽減するためには、運動耐性を考慮したエクササイズメニューの構築が必要です。
有酸素性エクササイズでは連続活動時間を短く設定し休憩時間は長く、筋トレでは低負荷高回数、休息時間3~4分が目安です。
呼吸困難スケールを用いることでエクササイズの強度をコントロールし、気管支収縮のリスクを軽減しながら個人に適したメニューの構築が可能です。
呼吸困難スケール0~10のうち3~4(中等度~やや重度)の範囲に強度を収めます。
また、10~15分程度の有酸素性のウォーミングアップを十分に行い、そしてエクササイズ終了後の急激な気道の温度変化を避けるためのクールダウンを設けることで気管支収縮のリスクの低減に繋がります。

有酸素性エクササイズでは、呼吸困難スケールをもとに運動強度を管理するため心拍への要求は高くありませんが、それでも心臓血管系機能の向上が期待できます。
筋トレでは大筋群(脚や腕、胸、背中、肩など)を中心に取り組むことで筋力や筋持久力、神経筋コーディネーション(筋肉の操作性)の向上が期待できます。
主観的に楽からややきついと感じる強度で1セットあたり10~15回を2~4セット取り組むのが目安です。

呼吸困難スケール

評価息切れの度合い
全く感じない
0.5非常に軽微
1かなり軽微
2軽度
3中等度
4やや重度
5重度
6 
7かなり重度
8 
9非常に重度
10完全な呼吸困難

パーソナルトレーナーの活動範囲

喘息症状の経験がある人にとって、運動は不安や恐れを感じるかもしれません。
しかし、十分に監督されたエクササイズプラグラムは喘息症状のリスクを低減しつつ体力・筋力などの改善を通して目標の体へ導いてくれます。

十分に監督されたエクササイズプログラムはパーソナルトレーナーだけでつくることはできません。
エクササイズがいかに有益であろうと医療従事者ではないパーソナルトレーナーは自身の活動範囲を理解しクライアントの安全を保証するために医療従事者の指示を仰ぐ必要があります。
そのため、喘息症状を有する方にはかかりつけ医に喘息アクションプランの作成を依頼しています。
喘息アクションプランは喘息症状の悪化を防ぐ手順や行動が明記された個別のワークシートです。
緊急連絡先や担当医療従事者への連絡先、喘息の重症度、処方薬とその用法、喘息のトリガーについて記載されます。

喘息症状を有する人が安全に、そして安心してエクササイズに取り組むことが出来るようただたんパーソナルジムではサポートしています。

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